鉄道ダイヤくらべてみました - ダイヤ改正・改定・変更

古今東西の鉄道ダイヤを比較し、良い点・悪い点など気になることをつぶやきます。

【3月17日改正】 JR九州ダイヤ改正新旧比較 - 福岡編

JR九州では2018年3月17日(土)にダイヤ改正を実施します。

https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2017/12/15/171215NewsRelease_honsha.pdf

まずは福岡の各路線の新旧ダイヤを比較します。

↓ 佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島編もどうぞ

diagram.hatenablog.jp

 

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(博多周辺で日中に荒尾行を見られるのも残りわずか  撮影日: 2014年3月17日)  

  ☆ 鹿児島本線 (博多近郊)

(博多駅平日下り二日市・久留米・大牟田方面時刻表 左: 改正前 右: 改正後)

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(博多駅平日上り福間・折尾・小倉・門司港方面時刻表 左: 改正前 右: 改正後)

f:id:silver_canaria:20180228021239p:plain以下、博多駅を基準に主要な変更点を列挙します。

行先・種別等の変更がたくさん見られますが、福間~博多~二日市間だけ見ると事実上現状維持です。一方で、それ以外の区間は減便が多く見られるなど、博多から遠ざかれば遠ざかるほど影響が大きいものとなっています。

 

 (1) 日中の福間~小倉間・二日市~久留米間の快速運転減少

日中時間帯の区間快速の増加により快速運転をする本数が減少します。

 ・ 福間~小倉間  毎時2本 ⇒ 1本

 ・ 二日市~久留米  毎時3本 ⇒ 2本

準快速が登場するまで福間~小倉間は快速が毎時3本でしたが、ついに毎時1本にまで減少しました。さすがになくなるなんてことはないと思いたいですが、ここまで来れば予断を許さないですね。よほど合理化を図りたいんでしょうか。

 

 (2) 日中の荒尾発着快速が消滅。荒木以南へは乗り換え必要に。

改正前は毎時2本の荒尾発着(一部大牟田発着)の快速がありましたが、改正後は久留米または荒木発着となり、博多方面から荒木以南を行き来する際に乗り換えが必要になります。行先が変わる毎時2本とも鳥栖発着荒尾・八代方面の列車と接続しますが、接続する種別が1本は快速、1本は普通であるため全体的には所要時間増となります。

プレスリリースではあまり大きく取り上げていませんが、個人的には今回のダイヤ改正で最も驚いた内容です。博多~大牟田間は西鉄との競争もありますが、西鉄との競争にはもう加わらないという意思表示なのでしょうか。確かに所要時間は両者ほとんど変わりませんが、運賃を比較すると西鉄大牟田から天神まで1,020円に対し、JRは博多まで1,290円ですから太刀打ちできませんね。

ただ、大牟田はともかく羽犬塚や瀬高といったJRしかない地域にとっては不便でしょうがないですね。JR九州としてはなんとしてでも輸送力過剰を解消して合理化したかったのでしょうか。

 

 (3) 日中の荒木~荒尾のダイヤパターン変更

改正前は荒木~荒尾間は毎時快速2本、普通1本の計3本が走っていましたが、改正後は快速1本、普通1本の計2本になります。ただし、荒木~羽犬塚間に限っては、毎時1本が羽犬塚まで乗り入れます(博多~二日市間快速)。

また、改正前の快速は荒尾発着(一部大牟田発着)で荒木以北にも乗り入れていましたが、改正後の快速は北は鳥栖発着となり、逆に南は八代発着となります。(普通の鳥栖・八代発着は現状維持)。

 

 (4) 準快速区間快速に名称変更。快速運転のパターン多数。

そして、今回のダイヤ改正の特徴は多種多様な区間快速が登場する点です。改正前の準快速のような福間~門司港間各駅といったシンプルなものではなく、快速運転・普通運転をする区間にいくつものパターンが存在するのです。例えば

 A 福間まで各駅、福間~博多間快速博多駅から各駅

 B 博多駅まで各駅、博多~荒木間快速

 C 博多駅まで各駅、博多~二日市間快速、二日市から各駅

といったパターンがあり、二日市・博多・福間を境に運転体系が変わるダイヤとなっています。

JR九州ホームページの時刻表では、少しでも快速運転する列車は全て「区間快速」として案内していますが、個人的にはややこしいです。例えば、福間駅の博多方面の時刻表を見ると、実質快速運転するのはAのみですが、時刻表では実質各駅停車のB・Cにすら区間快速として案内しているため、タイプの違う区間快速が併存する状態になっています。

ダイヤ改正後、実際に駅でどのような案内がなされるのかが気になります。

 

 (5) 特急「きらめき」が日中に消滅

博多~小倉・門司港間で運転されている特急「きらめき」が日中の時間帯から消滅します。消滅する列車は博多駅を9時台~15時台に発車する小倉行4本、小倉駅を10時台~17時台に発車する5本。

また、小倉方面の最終特急である博多駅0:10発きらめき小倉行は毎日運転から土曜休日の前日のみの運転となります。

 

 (6) 特急「有明」が下りは廃止、上りは朝1本のみに

九州新幹線開通後は数本のみとなっていた特急「有明」ですが、改正により下り3本が廃止となりついに下り「有明」は消滅しました。中でも、下り博多0:15分発長洲行は山陽新幹線下り最終のぞみ(博多23:55着)からの接続を受けていた点、特急ながら鳥栖・久留米・大牟田方面の最終電車の役割があった点を考慮すると少なからず影響が出そうです。

また、上りにおいても長洲7:11分発有明4号吉塚行が廃止になったため、上り「有明」も残り1本となりました。

 

 (7) 早朝夜間の列車削減・区間短縮・最終電車の時刻変更

早朝や夜間において列車の削減・区間の短縮を行う列車があります。これにより、最終電車の時刻も一部で変更になります。

改正後の博多駅発最終電車の時刻は以下のとおりです。

 ・ 下り竹下~南福岡  1:13 ⇒ 0:25

 ・ 下り春日~原田  0:25 ⇒ 0:11

下りけやき台~久留米の最終電車は変更なしです。

 ・ 上り教育大前・海老津  23:47 ⇒ 23:26

 ・ 上り東福間赤間  23:47 ⇒ 0:02

上り吉塚~福間の最終電車は変更なしです。

なお、この改正により博多駅を1時台に発車する列車が廃止されます。

あと、博多駅の下り時刻表を見たのですが、終電前の23:12発(快速荒木行)が出発した後は0:11発(普通久留米行)まで二日市以南に行く電車が約1時間も来ないというのが個人的にはすごく気がかりです・・・。

 

これ以外の朝・夕方の通勤時間帯は大きな変更が見られませんでした。

(小倉~門司港間については後ほど記載します)。

 

  ☆ 篠栗線筑豊本線 (福北ゆたか線)

 (1) 日中の博多~篠栗間の普通毎時1本減便、ダイヤが等間隔に

日中の博多~篠栗間で普通列車が毎時3本から毎時2本に減便されます。これにより、原町駅門松駅の停車本数が減少します。博多~篠栗間の快速・普通の本数は、毎時計5本⇒4本になります。

一方で、改正後は快速・普通ともに約30分間隔の等間隔ダイヤになります。

 (2) 日中の快速毎時1本が勝野駅に停車、新飯塚~直方間で毎時1往復減便

勝野駅に停車する快速は、運行上筑前大分駅から普通列車として運転されます。

なお、これにより毎時1本設定されていた普通直方行は普通新飯塚行に短縮され、新飯塚~直方間の快速・普通の本数は毎時3本⇒2本になります。

 

 (3) 日中の鹿児島本線直通黒崎行を3往復減便

改正前は直方発黒崎行が毎時1本設定されていましたが、改正後は概ね2時間に1本となります。

 

日中以外の目立った変更点は特に見られません。

 

  ☆ 香椎線

プレスリリースではほとんど取り上げられていませんが、改正前後では大きく異なるダイヤとなっています。 朝・夕の大幅な本数・時刻変更はありません。

 (1) 日中の雁ノ巣~宇美間は毎時3本⇒2本に減便

改正後は日中の雁ノ巣~宇美間が約20分間隔から約30分間隔になり、毎時3本から2本に減便されます。なお、西戸崎雁ノ巣間は毎時2本のままです。

 (2) 日中以降は香椎を境に系統分離

改正前は一部を除いたほとんどの列車が宇美~西戸崎間(一部は雁ノ巣)の通し運転を行っていましたが、改正後は日中以降全ての列車が香椎を境に系統分離を行います。これにより、日中以降は西戸崎~香椎間、香椎~宇美間がそれぞれ往復運転する形になります。

 

  ☆ 山陽本線鹿児島本線 (小倉~下関・門司港)

(小倉駅平日下関・門司港方面時刻表 左: 改正前 右: 改正後)

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 (1) 日中時間帯の減便

時刻表を見れば一目瞭然ですが、山陽本線門司港行ともに日中時間帯は大きく減便されることになりました。一方で、門司港行に限って見れば約30分間隔の等間隔ダイヤが完成したともいえます。しかし、個人的には小倉・門司・下関を結ぶ路線で毎時2本というのは寂しさを感じます。

 

 (2) 門司港行の大幅減便

1日に門司港駅を発着する列車が大幅に減少します。

 ・ 小倉発門司港行  平日: 84本 ⇒ 69本  土休日: 85本 ⇒ 69本    

 ・ 門司港発小倉方面行  平日: 73本 ⇒ 61本  土休日: 75本 ⇒ 61本

先述で日中時間帯の減便に触れましたが、門司港行に関しては夕方以降の減便も多く、夕方以降の運転間隔も大きく変わります。

 

 (3) 下関行最終列車の繰り上げ

改正前の小倉駅0:09発から、改正後は23:46発(実質23:53発)になります。

なお、小倉駅23:53発門司港行は門司駅で下関行最終列車に連絡するため実質の終電はその時間になります。

 

  ☆ 日豊本線 (小倉~柳ヶ浦)

 (1) 日中のダイヤパターン変更

日中の運転間隔が変更になります。例えば、小倉~行橋間において改正前は約15分間隔の毎時4本でしたが、改正後は約20分間隔の毎時3本になります。

気になるのは新田原~中津間が、約30分間隔の毎時2本から約60分間隔の毎時1本になる点です。いくらなんでもこれは少なすぎないかと思うのが私の感想です・・・。

 

 (2) 夕方下り快速中津行の廃止

小倉駅18:02、19:02、20:02発の快速中津行が廃止されます。

一方、朝上り柳ヶ浦7:09発快速小倉行はダイヤ改正後も残ります。

 

 (3) 始発・最終列車の時刻変更

柳ヶ浦4:17発門司港行の始発駅を行橋駅に変更します(5:09発)。これにより、柳ヶ浦の始発列車は4:49発となります。同時に、日本で一番早い始発列車を返上することになりました。

また、柳ヶ浦4:38発特急ソニック102号博多行も、始発駅を小倉駅に変更し特急「きらめき」として運行されるようになります。改正後、最初に発車する特急ソニック博多行は柳ヶ浦6:04発、中津5:34発となります。

 

最終列車の時刻も変更され、小倉駅の最終列車の時刻は以下のとおりになります。

 ・ 西小倉~行橋  0:05 ⇒ 23:55

 ・ 南行橋~柳ヶ浦  0:05 ⇒ 23:20

 ・ 特急ソニック大分行  23:53 ⇒ 23:02

個人的には、こんな早朝・深夜によく柳ヶ浦まで走らせていたなと思ってたので、ある意味仕方ないかなとも思いました。

 

  ☆ 日田彦山線後藤寺線

 ・ 日中の小倉~田川後藤寺間で1往復田川後藤寺添田間で2往復減便

 ・ 添田~池尻間で始発列車の時刻変更 (添田発 5:24 ⇒ 6:08)

 ・ 池尻~添田間で最終列車の時刻変更 (小倉発 22:20 ⇒ 21:37)

その他の時間帯は行先変更が中心で本数・時刻の大幅な変更は見られません。

なお後藤寺線は、朝の1往復夜の2往復が減便されます。

 

  ☆ 久大本線 (久留米~光岡)

他路線が減便ばかりという寂しい内容の中、当路線は夕方以降の下りで増便され、15時台以降に久留米駅を発車する下り列車が11本⇒13本になります。

 

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